ヤマハの新型E-Bike「CROSSCORE RC& WABASH RT」発表!買うべきか?

年明けそうそう、最高に嬉しいニュースが入ってきました。ヤマハがついに、従来のYPJシリーズを一新する「WABASH RT」と「CROSSCORE RC」の発売をリリースいたしました!

長年全てのYPJシリーズを運用してきて、まずは感動を表しますとともに、そして「はたして買いなのか」を予想していきたいと思います!

YPJシリーズの良かった点、不満点

まず、あらかじめお伝えしますが、弊社はヤマハの営業部さまとも直接面識がありますし、ヤマハの方々が並々ならぬ努力でE-Bikeを作り上げているのは重々承知しております。ですがレンタル・ツアー業者の立場として、一般ユーザーとは少し違った意見もあり、今後のE-Bikeの発展を願って、あえて正直なところを言わせてもらいたいと思います。

YPJ、日本初の本格的E-Bike

E-Bikeの歴史については長くなるので別の回でお話ししたいと思いますが、いわゆる欧州から逆輸入されたスポーツタイプの電動アシスト自転車、いわゆる「E-Bike」は、日本では2016年、ヤマハのYPJ-R及びYPJ-Cの発売から始まりました。(実はその前にもヤマハPAS braceという名車がスポーツ電動アシスト自転車の灯火を伝えていたのですが。。。)

それからパナソニックからXM-1、ジャイアントからEscape RX E+シリーズなどが参入し、瞬く間に2019年頃には多数のメーカーが入り乱れる状況となりました。

YPJは「ヤマハプロジェクト」の略である通り、まさにヤマハの社運をかけてガンダムでいうV作戦的な一大プロジェクトであり、我が国が世界で戦えるE-Bikeを生産するキッカケとなった、歴史的偉業であったと思います。

もちろん社内でも様々な異論があったといいますし、欧州とは異なる日本の電動アシスト自転車規制、ユーザーニーズ、自転車文化の浸透、道路状況などさまざまな点から、模索していたものだと思います。

YPJ-C/Rはまぁ・・・

弊社も一番初めに購入したE-BikeはYPJ-Cでした。まぁこれは比較の対象外とします。YPJ-CはE-Bikeがサイクリスト向け商品と考えた中で、時速24kmでアシストが切れるという国内規制に基づいて、「サイクリストを坂道と発進の時にちょっとだけアシストするだけ」「20万後半ではとても売れないから安く」「20kg切るように軽く」といった要望から、超少量バッテリー(60Wh、坂2つほど登ったら使い切るイメージ)の超低出力アシストという試作機であったのだと思います。

ガンダムで言うとザニーみたいな感じです(マニアックですみません)。

でも小容量バッテリーだけに飛行機に積んで海外に持って行けるとか、とにかく軽いとか、実はいまだに人によっては面白いモデルです。もちろん、安いからといって初心者にはおすすめしません。逆に玄人向きかもしれません。

弊社では、最近中古売却してしまって、もうございません。。。

YPJ-ER, XC, TC, EC〜欧州スタンダードへ〜

そして先行する欧州スタンダードに合わせて作られた本気モデルが、YPJ-ER, XC, TC, ECでした。

バッテリー容量はYPJ-C/Rの8倍以上の500Wh、その他重量・パーツも欧州一流基準にして、価格は税抜き26万円からと、30万を超える欧州車に対して圧倒的な安さ!(ママチャリユーザーからすると高いと感じるかもしれませんが。。。)

パナソニックが電動マウンテンバイクの方に比重を置く中、ほとんど唯一世界に向けて輸出していた国産E-Bikeでした。

弊社もYPJ-ECを主軸に、多くの台数を揃えています。

YPJシリーズの良かったところ

YPJの素晴らしかったところは、

  1. とにかくコスパが良い
  2. 圧倒的なパワーと航続力
  3. メーカーサポートが手厚い
  4. USB充電してくれる。
  5. カロリー計算機能がある!

というところでした。特に航続力は素晴らしいです。ハイモード90kmってありますが、実際丹後半島一周ハイモードで90km走っても3割くらい残ってるので、もっと走れると思います。

USB給電機能もスマホなどを充電できて、嬉しかったです。まぁUSB-B端子なのですが、時代が時代なので仕方ないですね。これからはUSB-C端子でお願いします。

だが進んでいく欧州市場

しかしながらE-Bikeは今や10年前のスマホ状態。あっという間に欧州では技術もトレンドも進んでいきます。

コロナと脱炭素というスーパービッグウェーブによって、欧米のE-Bike市場は別次元の規模になりました。その中でトレンドは、国内で言えばジャイアントのE-Bikeに見られるように

  • バッテリーとフレームが一体(チューブインバッテリー)
  • フロントディレーラーは要らない
  • バッテリー容量はスポーツタイプなら500Wh程度

というようになってきました(2019年頃から顕著)。

そもそもEVやスマホの小型高性能化に伴って、今世界ではバッテリー技術が劇的に進歩しています。5年で2倍というペースでバッテリーのエネルギー密度は向上し、1〜2年ごとにより軽く、強く、小さく、長持ちするバッテリーが登場してきています。

その中でチューブインバッテリーというデザインが可能になり、そして好まれてきました。 まぁレンタル事業者としては、バッテリーをすぐ取り外して屋内で充電できる露出式の方がいいんですが、そこはデザインですね。。。

ですがフロントディレーラー不要論は大賛成です!理由は後で述べますが。。。

YPJシリーズの問題点

私が2019年にヤマハ西日本営業部に行った際も、翌年も、口あるごとに言っていたのは

  1. 日本人女性も乗れる低身長タイプを出してほしい
  2. フロントディレーラーは要らない
  3. バッテリー端子を本当にどうにかしてほしい

の3点でした。

適正身長155cm~ 低身長(特に女性)の方が乗れない!

ヤマハさんに聞いた時、当時のメインターゲットは「男性のマニアユーザー」だと言っていました。それは間違いではないと思いますが、私が観光事業者に直に顧客と接して思っていたのは、「このE-Bikeというものの真のターゲットは女性ではないのか」ということでした。

日本のアクティブ女性層のポテンシャルについては別の回で書きたいと思いますが、E-Bikeという存在をよく分解してみると、その真価は「初心者でも楽にサイクリストにしか見れない光景を、スタイリッシュに楽しめる」ことにあると思います。昔の日本市場における女性像は、とかく運動しない、かわいい、インドアなものでした。でも、今はもうそうじゃない。 男性と違うのは、自分の体力を見せつけるとか、トレーニングした上での達成感とかは、そこまで響かない。大切なのは快適に、健康的に、スタイリッシュに仲間と楽しく走れることです。

そこらへん、ジャイアントのLivブランドは本当に分かっていると思います。もう「女性向けE-Bike」って言ってますからね。何ならジャンルも「フィットネスバイク」って言ってますし、完全に女性の運動・美脚需要まで分かっちゃってます

当然、本場欧州では女性は巨大なターゲットです。でも国内を向いている日本メーカーからはちょっと感度が足りない。。。数の差こそあれ、欧米的な嗜好をもつ女性も日本にはたくさんいると私は思っています。

でも欧州の女性と決定的に違うのは、身長です。

欧州メーカーの女性向けモデルは、身長155cm、あるいは160cmが最低です。

そしてYPJシリーズの最小サイズの適正身長は156cm〜。それに対してジャイアントEscape RX- WE+は145cm~。この差は本当に大きい。

女性客はカップルで、友達同士で、母娘できたりします。その中の1人が、身長で制限にかかってしまうのです。ちなみに統計的に日本人成人女性の半分近くが155cm以下です。

ヤマハに女性向け、低身長向けモデルの本格E-Bikeをつくってほしい、私は切に願っていました。

フロントディレーラーは要らない!2本の手で3つのモード操作は無理です。

YPJシリーズには全てフロントとリアのディレーラーがついていました。

サイクリスト向けを考えたらついてないと安物と思われるということですが。。。

そもそもE-Bikeは圧倒的なパワーで普通のロードバイクのように細かな変速を必要としませんし、アシストパワー調整ボタンの上にフロントのギアもリアのギアも操作するなんてのは、無理です。2本の手で3つのモードチェンジを有機的に操るのは合理的ではありません

そこらへんを最初から無くしていたGiantのEscapeシリーズは本当に分かってます。

そして何より、レンタル事業者としては最悪なことに、フロントディレーラーはとにかく曲がりやすい。毎度調整しないといけない。別になくてもいいのに整備所要とクレームの元になる。本当に厄介でした。

消費者としても、数万円するフロントディレーラーは要らないから、その分安くしてほしいと思っていた方も多かったのではないでしょうか。

YPJシリーズ最大の問題点。充電器が終わってる。

ヤマハの方々、申し訳ございません。

私はこの一点をもって、レンタル事業者としてYPJシリーズを主力にすることはできないと決断いたしました。

それは充電器のプラグが壊れやすいばかりか、バッテリー自体まで破損してしまうからです。

すでに弊社では4つの充電器と、1つのバッテリーが破損しています。その損害は莫大です。

おそらく、個人で購入された方には大きな問題ではないと思います。でもレンタルの現場では、アルバイトの方などが充電したり、様々に多忙な状況下でやったりすることがございます。

パナソニック、ジャイアント、ボッシュ、シマノなど様々なユニットがある中で、YPJの充電器は最悪です。うまくはまらない、小さくて見えない、外しにくい、そして端子が折れてバッテリー自体が壊れる。バッテリー側がオスで充電器側がメスって何でそうなるんですか。

なぜヤマハがユニットを供給しているジャイアントのE-Bikeは、こんなにも充電器がよくできているのでしょうか。

今、電気自動車の世界では充電プラグの統一化は概ねできてきました。しかしE-Bikeの分野では群雄割拠、戦国時代です。ユニットメーカー同士でプラグ統一する気があるメーカーなど一社もありません。ですが断言できるのは、(MT proを除く)YPJ充電器はその充電器規格戦争で最も早く脱落すべきものです。

それでもヤマハには頑張ってほしかった

それでも、ミヤタがメリダに合併され、パナソニックはMTBばかり(今後ジェッター・ハリヤーを主軸にする?)、ブリヂストンは通勤・通学用途の電アシばかりと、ヤマハは「世界の王道」で戦っている唯一の国内メーカーでした。

そしてそのユニットの完成度は、世界最高水準です。弊社もボッシュユニットVektronやシマノユニットのリッジランナー、パナソニックのXM-1を取り扱っていますが、それぞれマイルドだったりうるさかったりする中で、パワフルかつ自然なアシストを両立するヤマハユニットは、個人的には一番好きです。特にジャイアントに搭載されたヤマハユニットが最高だと感じるのは残念ですが。。。

これから世界は脱炭素とSDGsを追求する中で、必ず自動車中心社会ではなく、マイクロモビリティ社会にたどりついていくはずです。欧州は先行してもう気づいちゃってますが、日本も電気自動車でなく、E-Bikeこそが今世紀のモビリティの主役であると、気づく時が必ずきます。

そのとき、我が国産業の主役は、トヨタでもホンダでもなく、世界のシマノと世界のヤマハとなる、私はそう願っています。

ヤマハの新E-Bike

そんな思いを抱き続けてきた私は、今回の新モデル発表を見て、本当に感動しました。

「ヤマハは、世界でも、日本でも戦う気なんだ」と。

ヤマハは世界市場を見ていた。そして日本市場も捨てなかった。

CROSS COREは、YPJの正当な後継者

まず名前。もともとYPJを欧米では「YAMAHA CROSS」で出していました。今回「CROSS」の名を冠したということは、その上位ないし後継機種。そして価格はYPJ-TCとECの間の317,900円。上位モデルというより、後継機種と考えた方が良さそうです。

「WABASH RT」も、おそらくはYPJ-ERの後継。WABASHは「オハイオ川を上る」という意味。。。って何ですかそれは。他メーカーもそうだけど、日本人が読める名前にするか、せめてその由来くらいは載せてほしいです。。。買う側も相棒の名前の由来くらい知りたいってもんです。メイン市場のアメリカ人には分かるんでしょうが。

まぁ欧米市場は日本の数十倍、数百倍の規模ですからそれを主軸に据えるのは当然として、これまでのYPJと違って日本でも同じように出すというのは、日本市場も欧米並みに育ってきたと分析されたということ。

弊社としても、日本人観光客のE-Bike利用についても同じ感触を持っています。

その上で、さらに嬉しいことが。

適正身長144cm~のモデルがある!!

CROSSCOREの最小サイズのSサイズは、144cm〜! ジャイアントのWE+より1cm低い144cm〜!

そんな数値カスタマイズでどうにでもなるとか思ってはダメです。そう打ち出してきたのが本当に嬉しい。

ヤマハは日本市場を、日本の女性市場を捨てずに、ちゃんと捉えてくれた。

去年末ミヤタの新クルーズ発表で前まであった低身長モデルが無くなったことに、どれだけ落胆したことか。ああ、あそこも外資になっちゃったんだなぁと。

日本で、「日本の女性だってアクティブに楽しむ存在だ」ってちゃんと捉えてくれてる企業が台湾のジャイアントだけって、悲しいじゃないですか。

低身長向けモデルがある、しかも女性も好む薄グリーンや白のカラーリングもある。分かってますね。

まぁ、日本人じゃなくてアジア人やアジア系欧米をターゲットにしているだけかもしれませんが(笑)

フロントディレーラーが無くなった!

ついにあのフロントディレーラーが無くなって世界基準になりました。これで不要な重量がカットされ、コストダウンされ、操作もしやすくなる。そしてメインディレーラーは9速と申し分なし。ヤマハユニットは国内最高レベルの出力なんですから、それで良いんですよ

充電器が進化!?

もうこれが本当に嬉しい。

充電器がYPJ-MT Proと同じタイプのものになったようです。新充電器の方は、外見上ボッシュやジャイアントのと同様、挿れやすそう。

500Whなみのバッテリー

ジャイアントの今年(2022)の新型Escape R-E+を見た時、ちょっと落胆しました。バッテリー容量がRX-E+の500Whから400Whへのダウン。そしてそれで落ちた航続距離を補うためモーターのトルク値が70Nmから50Nmにダウン。他は最高のE-Bikeなんですけど、丹後半島の檄坂だとやっぱ前と同じトルクがほしいんですよ。。。パワー同じ(50Nm)なら正直Vektronの方がいいんですよ。。。

世界的なバッテリー高騰や自転車パーツ高騰もあるんでしょうが、それでライトもオプションになってお値段ほぼ据え置きって実質値上げじゃん・・・

それに引き換え、今回のWABASHとCROSSCOREはインチューブバッテリーでも容量は近い水準で維持。すごいですヤマハ。

圧倒的コスパ

前後輪とも油圧ディスク、バッテリー出力、デザイン、全てが高性能にまとまって、317,900円。今E-Bikeが高騰する中で、他のメーカーでこの水準でこれだけの性能を備えているE-Bikeはありません。30万円前後のクラスでは、もっともコスパが高いバイクだと断言できます。

で、結局買うのか?

で、結局弊社としてこのCROSSCOREを購入していくのかという話ですが、まずそれには検討すべき点があります。

他社製品との比較

弊社としては低身長モデルが必要、という点でジャイアントEscape R(W)-E+が競合として上がってきますが、

YAMAHA CROSSCOREGiant Escape R(W)-E+
価格317,900円308,000円(ライトは必須なのでそれも入れて)
→2/1より大幅値上げ
バッテリー471.6Wh or 482.4Wh ?406.8Wh
最大トルク70Nm50Nm
USB給電ない!?USB-C
デザインちょっと筋肉質?スタイリッシュ!

という感じです。人によってはミヤタのクルーズiやトレックのVerve+、スペシャライズドのVado、CorratecのPT500とかも比較対象になると思いますが。これもいずれ全メーカー比較とかやってみたいと思います。

正直なところ、

両方実車みてパワーとデザインみて判断してみるしかないですね。

ただ一つ残念な点が・・・今回のWABASH、CROSSCOREはUSB給電機能がつかなそうです。今回のコントロールユニットは画像から見る限り「Display A」というタイプ。これには給電機能がありません。何でですか。

一度初めての土地をE-Bikeで走ってほしいです。絶対Google Map使いますから。そしてそこで給電機能があれば、安心してナビしてもらえますし、さらにStravaやReliveだってバッテリーを気にせず楽しめます。この楽しさ。

せめてWABASHだけでもInterface XかDisplay Cのコントロールユニットにしてくださいよ・・・USB給電機能もあるし、かっこいいし。ドロッパーシートポストは要らないんで。

走行間にシート高調整するのがグラベルでなぜ必要と思ったのでしょうか? 必要な人は既製品買ってつけます。

E-Bikeってのは今まで行ったことがない道を長距離走れることに真の楽しさがあるんです。そこで必要なのはサスペンションでも可変シートポストでもなく、情報と通信の確保です。例えば車で初めての土地に長旅に出るのにシガーソケットもUSB給電もなかったら? そこに大容量バッテリーがあるのに、なぜわざわざ重いモバイルバッテリーを持っていて、ライドの間でこそこそ充電しなくてはいけないのか。E-Bikeという存在価値そのものへの理解があれば、自ずと分かるはずです。

うーん。。。ライト給電用ケーブルを改造して分岐させてUSB給電付けるか、何とかしてInterface Xに取り替えるか。。。

オプションでコントロールユニット変えられませんかね。

そしてもう一つ重要な点があります。

サスペンション無しのモデル(YPJ-EC後継)が出るのでは!?

サスペンション信仰というのがあります。サスペンションあるとカッコよくて、高くても買うというものです。

非舗装路を下る時は超重要です。舗装路では、正直無くて困ることはありません(これは個人の感想です)。

でもそのサスペンションのせいで単価が上がり、何より重量が増します。

弊社もサスのついているYPJ-TCと、サスのないYPJ-EC両方使ってますが、正直ECの方が軽くて好きです。そもそも、丹後半島含めて日本のほとんどの道はちゃんと舗装されてますから、サスが活躍するシーンはほとんどありません。そしてECの方が安いです。

サスなしのモデルも、2022年後半になるか23年になるか、いつか出すはずです。

もし出るなら、税込298,000あたりで来るのでしょうか・・・だとしたらインチューブタイプとしては本当の本当にお得なE-Bikeです。

結論:サス無しモデルを待って、実車見て判断

まぁとにかく実車見て、試乗してみてからですね。もしかしたら3月、4月のサイクルモードで出てくるかもしれません。弊社も出展予定なので、楽しみです!

CROSSCOREも、すぐに旧式になる!?

ただ、そこで考えなければいけないのは、このCROSSROREは、「2019〜20年当時の欧州トレンドのモデルにおいて、最高のコスパ機」であるという点です。

残念ながら、本場欧州にて、すでに新しい進化は始まっています。さらに弊社独自の分析を加えた今後のE-Bikeトレンドをお伝えいたします。このあたりも、まとめ記事をいつか書きたいと思います。

弊社の予想する、今後のE-Bikeトレンド〜これが出てきたら即買い〜

現在の欧州モデルの最新トレンドは、

  1. 有名車ブランドの参入(ポルシェ、ベンツ、BMWなど)
  2. ベルトドライブと自動変速・無段階変速・シングル化(アーバンタイプ)
  3. カーボンによる軽量化
  4. ホイール・バッテリー・モーターの一体化による小型化
  5. 堅牢フレームによる重量物搭載力の強化
  6. バイク的なデザインのファットタイプや折りたたみなど、デザインの多様化
  7. 米国法規制Class3に対応する最高速度46kmまでアシストする高出力化
  8. E-MTBの高出力化
  9. オートロック機能

などがあります。ベルトドライブと内装変速は、甲乙ありますが、確かにほしいところです。オートロックはそれつけた鍵だけ別売りすればいいのでは? 自動ギア変速(いわゆる車のオートマ)は、正直それつけるなら内装変速でいいと思います。さらに弊社としては、

  1. 回生充電機能が強化され、エンジンブレーキになる。
  2. USB給電機能の強化と、純正非接触式スマホ充電ホルダーの搭載
  3. サイクリング中の「ながらアプリ」の開発と普及
  4. AirTagの自転車向けカスタマイズ版の搭載

このあたりが鍵になるかと思います。

ブリジストンが覚醒したら、世界が変わる。

特に回生充電は重要です。弊社もあやべ観光協会、舞鶴観光協会等とツアー開発協力をする中で、同所に配置されているブリジストンTB1eという回生充電機能がついたスポーティ電動アシスト自転車に乗りましたが、あれはE-Bikeのゼロ戦だと感じました。

回生充電は、もっとハイエンドなE-Bikeにつけるべき、ものすごい技術です。バッテリーが軽量化できて安く作れる、それだけじゃありません。

エンジンブレーキとして使えるレベルに強力な回生ができれば、ロングダウンヒルで手が疲れないという素晴らしい機能になり、その上で小型軽量のE-Bikeが活きてきます。

何より、いつもE-MTB乗っていてブチギレしているのですが、トルクがあっても後輪が斜面で滑って逆に危ないし意味ないんです。両輪駆動ならグリップ力2倍で、非電動マウンテンバイクでは不可能な登坂も可能になります。車でオフロードなら四駆でしょう? じゃぁ二駆のE-MTB出たら売れるに決まってるじゃん。

あとはいかにクイックリリースと共存するかですが。

その技術を今もっているのは、ブリジストンです。最近ロードバイクもまた強化してきました。あそこが本格的で野心的なE-Bikeを出したら、世界市場を一変させるんではないかと妄想します。

最後のステップは、「Connected」

なかなか物作りサイドのメーカーさんだと気づかない方もいるかもしれませんが、最前線で顧客と触れ合っている私たちレンタル・ツアーサイドは、もうはっきり見えています。

Eバイクは、コネクテッドすれば別次元のものになると。

今、E-Bikeの給電機能はコントロールユニットについています。でもそこからスマホに給電するには、USBーC to Cの短いコードを買ったり、スマホホルダーを調整したりと大分手間です。

でも私は、E-Bikeはスマホ搭載を前提として設計すべきだと考えています。

コントロールユニットにUSB給電をつけるのではなく、独立してUSB給電ユニットを設けてハンドル上に設けて、非接触充電可能なスマホホルダーを、純正でオプションでスマートに接続できるようにするべきです。バイク向けに似たような製品があります。これを最初からE-bikeにつけるのです。

さらに、それにPTTスイッチになるBluetoothボタンもオプションでつけられたら最強です。

そして、E-Bikeで走りながら楽しめるながらアプリを整備します。というかそれは自動的に各社が作るでしょう。

経路ナビゲーションはGoogleが、

カロリー消費、走行ログ共有はStraveが、

走行間のトランシーバー通話はZelloが、

仲間同士の位置共有はiシェアリングとかGoogle Mapとか色々、

盗難防止はAirtagが、

それぞれいい感じのものを作りつつあります。各アプリまだ「もうちょっと。。。」という点はありますが、いずれ進化するでしょう。

AppleメガネがAppleの言う通りのものに仕上がって、ジェスチャーだけでアプリ操作できたら、走りながら電話かけたり音楽変えたり周囲の道やスイーツ処を検索できたら、もう最高です。

あとは、耳を塞がない骨伝導イヤホンをつけながらでも邪魔にならないヘルメットが欲しい・・・探せばあるだろうけど。

これらに気づいて、それを実装するe-Bikeメーカーが、日本から現れることを願っています。

Eバイクは、1人で走っても楽しいが、仲間と、同じコースでも時間・場所が離れても一緒に走れると、とんでもなく楽しいものになる私たちレンタル・ツアー事業者はそれを毎日のように、これまで何千人と見てきました。

ちなみに今、それに一番近いものを見ているのはBoschだと思います。

早くCROSSCORE乗りたいです!

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